ルリユール 株式会社ポプラ社

 魔法のような方法で本の修復や造本をするルリユール職人赤毛のクラウディアと瑠璃という少女の話です。そこへは誰でも行けるわけではなく、瑠璃は夢遊病で夢に導かれてその不思議な洋館にたどり着いたのでした。そこへ訪れる本を大切に思う人達には、本にまつわる秘めた哀しみや深い思いがあったのでした。クラウディアは本をもとの本よりも良い本に修復し、それぞれの依頼人の心の傷も修復されていきのでした。
 主人公の瑠璃もまた幼い頃に母親との別れの時の事が、長い間後悔の念として秘められていたのでした。瑠璃はクラウディアからルリユールを教わり、さまざまな過去の哀しみを背負った人々が本を修復することで癒されていくのを目の当たりにします。それと同時に自分の心の傷もまた癒されていくのでした。この本の読者も、同じように物語のページが進むごとに温かさが心に満ちてくるのを感じるでしょう。そうして、謎めいた魔女のような、それでいて透明感のあるクラウディアやおしゃべりができる7匹の猫の正体はいったい何者なのかが、話が進むごとに解明されていきます。本を愛する人達の不思議ですてきな話は、疲れた毎日に夢と癒しを与えてくれることでしょう。