本日は、お日柄もよく(徳間書店)

本日は、お日柄もよく(徳間書店)

ひそかに想いを寄せていた幼馴染の結婚式会場で、人生を変えるような感動的な祝辞のスピーチを話す『スピーチライター』久遠久美に出会った、主人公二ノ宮こと葉。その出会いをきっかけに、様々な節目節目で輝き、人の心を熱くさせる魅力あふれる言葉のスピーチに魅了されていきます。
人生において、言葉が持つ力の大きさを改めて感じさせられた小説です。
最初のきっかけが結婚式のスピーチというのがとても身近に感じられると思います。20代になると、結婚式に呼ばれることも多くなっていきます。でも、花嫁の手紙は感動しても、来賓の祝辞で感動する機会はなかなかなく、いつも早くおいしい食事を食べたいな、と思ってしまいます。しかし、この本においては、スピーチこそ主役です。中盤で、親友の結婚式で主人公が友人代表スピーチをする場面があるのですが、心から祝福の言葉を贈る主人公がとても素敵でした。また、話は政治の内容にも踏み込んできます。普段、政治というとどうしても難しいイメージがあり、とっつきにくい印象があります。テレビで放映される内容も、政治家のスキャンダルなどゴシップは知っていても、政治そのものへの関心には至らない20代女性は多いのではないでしょうか。しかし、本当は日本を良くしようとする政治家たちがきっとたくさんいるんだ、と気づかせてくれる内容でした。ぜひ、読んでほしい一冊です。